2021年5月13日木曜日

搬入プロジェクト 阿東文庫計画

「搬入プロジェクト」阿東文庫編が公開されました。山口県の自然豊かな場所にある、廃校を利用した図書館に、ぎりぎり入る大きさの物体を制作して、運び入れています。場所の持つ力によってか、奇跡のような瞬間を何度も目撃しました。これまで編集してきたたくさんの搬入プロジェクトの中でも、珠玉の輝きを放つ映画のひとつです。

https://vimeo.com/showcase/7338238


2021年5月11日火曜日

搬入プロジェクト ビジネスホテルうえの計画

山口県、湯田温泉の「ビジネスホテルうえの」に巨大な物体を搬入するという「搬入プロジェクト」のドキュメンタリーを編集しました。今回は搬入のための楽団が参加しています。山口市ではこのハードコアなプロジェクトに参加する人数がどんどん増えているそうです。

https://vimeo.com/showcase/8449032


悪魔のしるしによって着想された「搬入プロジェクト」オープン化の経緯はこちらの記事でご覧いただけます。

ameet.jp/digital-archives/2292/

2021年4月19日月曜日

ヴィジョン・デュ・レールで5組の映画監督の参加するトークイベントを開催!

日本時間で4月18日の日曜日、夜20時半から、ヴィジョン・デュ・レールのフォーラムで、僕と吉開菜央さんを含む、4組の映画監督の参加するトークイベント行います。司会は映画評論家のジョーダン・クロンクさんです。トークのテーマは"From real places to imaginary spaces”です。 英語でのトークになりますが、友人の田村かのこさんに通訳をお願いさせていただきました。日本語での放送はありません。

<20210419追記>
昨晩のヴィジョン・デュ・レールでのトークの記録が公開されました。僕と吉開菜央さんの話しているパートは日本語でご覧いただけます。まだまだ話し足りないことはたくさんありましたが、田村かのこさんの通訳のおかげでとても楽しいトークになりました。こうして顔を見ながら話をする機会をいただけたことを感謝したいです。

トーク概要:「真の発見の旅とは、新しい風景を探すことではなく、新しい目を持つことである」(マルセル・プルースト)。空間をどのように評価するか、風景をどのように撮影するかを決める哲学は数多ある。カメラはそれに意味や象徴、願望を乗せるための手段に過ぎない。

5組の作家はそれぞれ、ポルトガル、スイス、オーストラリア、中国、日本の5カ国で映画を製作しています。今回、トークのために他の監督の映画を先んじて観たのですが、改めて、映画を観ることは風景を観ることでもあるんだなと強く感じました。こうして5カ国の映画を並べてみると、全く別の視点が生まれてくるのを感じます。特に、ポルトガルの農村を撮影したモニカ・マルティンズさんの”Sortes”は人の営みと土地の結びつきを強く感じて、感動的でした。

それぞれの作家の翻訳した作品概要(ショートバージョン)とURLを載せていますので、公開されたらご覧になってみてください。

If You See Her, Say Hello | Hee Young, Pyun Oscar Zhang – 中国 18分
旅人は、中国北部の石油採掘場跡地にある、彼が「宇宙の中心」と考えていた幼少期の街を訪れる。思い出に取り憑かれた彼は、次第に夢のような空間に迷い込み、超近代的な都市から、現実と空想の区別がつかなくなったゴーストタウンへと変わっていく。稀有な美しさを持つハイブリッド映画。
https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/if-you-see-her-say-hello/

Là où nous sommes | Amélie Bargetzi – スイス 36分
製油所や化学工場が立ち並ぶ南仏の町フォス・シュル・メールでは、どのようにして生活することができるのか。カメラは彼らの悪夢のような風景を撮影し、その中から時に曖昧な美しさの断片を発掘する。
https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/la-ou-nous-sommes/

Dry Winter | Kyle Davis – オーストラリア 62分
オーストラリアの奥地にあるゴーストタウンに住む20代のジェイクとケリーは、アルバイトをしながら生活している。夜はテレビの前でビールを飲み、友人たちと過ごすことで、彼らの背後にある広大な空洞の死のような退屈さを補っている。しかし、日々は果てしなく繰り返され、どちらかが旅立つことを決めなければならない。
https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/dry-winter/

Sortes | Mónica Martins – ポルトガル、ドイツ 38分
収穫期の太陽とセミの鳴き声の下で、モニカ・マルティンス・ヌネスはポルトガル南部の乾燥地域であるセラ・デ・セルパの感動的なポートレートを描き出す。羊飼いや市場の商人が歌う詩は、忘れ去られようとしている人間の風景の最後のジェスチャーのように響く。
https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/sortes/

Night Snorkeling | Hirofumi Nakamoto, Nao Yoshigai - 日本 12分
夜になると、少年と少女は、自然の小さな不思議を観察するために、冷たい海に身を投じる。携帯電話のカメラを持って、海に生息する生命の神秘を明らかにする。のんびりとした雰囲気の中で、「ナイトシュノーケリング」は私たちの地球の儚い美しさを優しく思い出させてくれる。
https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/night-snorkeling/


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吉開 菜央(よしがい なお)
映画作家・振付家・ダンサー。1987年山口県生まれ。日本女子体育大学舞踊学専攻卒業、東京藝術大学大学院映像研究科修了。作品は、国内外の映画祭での上映をはじめ、展覧会でもインスタレーション展示されている。MVの監督や、振付、出演も行う。監督した主な映画は『Grand Bouquet』(カンヌ国際映画祭監督週間2019正式招待)、『ほったまるびより』。米津玄師MV『Lemon』出演・振付。
https://naoyoshigai.com/

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仲本 拡史 (なかもと ひろふみ)
映像作家。1986年8月19日、横浜生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。西イングランド大学に交換留学し、現代美術を学ぶ。監督した主な映画は『無言の乗客』(ベルリン映画祭/2013)、『IR PLANET』(ヴィジョン・デュ・レール/2014)、『宇宙の舟 2016』(イフラヴァ国際映画祭/2017)など。ホテルなどの人工的な空間に、カニやヤドカリなどの動物を持ち込み、動物と自己、カメラのの3者の関係を緊張感を持って描く「動物SF」シリーズは、各国の映画祭や芸術祭で上映、展示される。2014年から「ひかるどうぶつえん」の立ち上げと運営に関わる。2018年より神奈川県逗子市に居を移し、映像表現のレクチャー、ワークショップ、上映などの活動を行う団体「逗子アートフィルム」を立ち上げる。「螺旋の映像祭」ディレクター。関東学院大学非常勤講師。
http://www.hirofuminakamoto.com/

2021年4月9日金曜日

「ナイト・シュノーケリング」の世界観を伝える2分半の映画を公開!

ヴィジョン・デュ・レールからの依頼で、4月15日から公開される「ナイト・シュノーケリング」の世界観を伝える2分半の映画を、吉開菜央さんと制作しました。こちらのリンクからご覧下さい。https://youtu.be/Nem68cu3Ews


短編映画からスピンオフした超短編映画ということで、本編には使わなかったシーンと、大橋可也さんのダンス公演のために制作された映像を組み合わせています。時系列はあまり重要ではないですが「ナイト・シュノーケリング」のエピローグのような映画です。本編もお楽しみに! 

2021年4月8日木曜日

LABOCINE4月号にて「無言の乗客」をオンライン配信中!

ニューヨークが拠点の科学と映画をテーマにしたフィルムマガジン、LABOCINE4月号「BEING AN ISLAND」にて、2013年にベルリン映画祭で上映された「無言の乗客/Silent Passengers」がオンラインで配信されています。沖縄のとある島を舞台に、カメラによる生物の観察をテーマに制作した映画です。LABOCINEは月3$、年間30$で毎月様々な実験的な映画やアニメーションが配信されるプラットフォームです。この機会に是非御覧ください。

https://www.labocine.com/issues/being-an-island


2021年3月25日木曜日

三浦半島の沿岸海域をモチーフとした映画「ナイト・シュノーケリング」のワールドプレミア上映が決定!

ヨーロッパで最も重要なドキュメンタリー映画祭のひとつ、ヴィジョン・デュ・レールで、新作「ナイト・シュノーケリング」のワールドプレミア上映が決まりました。三浦半島の沿岸海域をモチーフとした、仲本拡史と吉開菜央の共同監督作品です。映画祭は2021年4月15日から、オンラインとオフラインの両方で開催するようですので、ぜひご覧ください。

映画祭URL:https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/night-snorkeling/

ヴィジョン・デュ・レールの会場は、スイスのジュネーブにほど近い、ニヨンという美しい街にあります。この映画祭は、ドキュメンタリーの中でも、特に先進的な試みをしている作品が上映されることで有名で、過去にはヴェルナー・ヘルツォークやピーター・グリーナウェイなどが受賞しています。ドキュメンタリーといっても、フィクションの要素を取り入れたり、実験映画や、現代美術的なアプローチが見られる作品も多く含まれています。僕は2014年に「IR PLANET」という、赤外線カメラで撮影したカニの映画の上映のために、現地を訪れましたが、目の醒めるような映画にたくさん出会うことができました。

昨年はコロナ禍のため、ヴィジョン・デュ・レール初のオンライン上映が行われたので、SNSでたくさんの映画を紹介していました。今年は会場での上映もありますが、残念ながら、現在の状況を鑑みて、現地を訪れることができませんので、またオンラインで、できる限りたくさんの映画を観て、紹介していきたいと思います。

「ナイト・シュノーケリング」の制作の経緯についても書いておきたいと思います。この映画は、ほとんど偶然のように生まれました。コロナ禍が少しだけ落ち着いたように見えていた、2020年の夏の終わり頃、吉開さんから、大橋可也さんのダンス公演の映像制作のために、三浦半島の海岸を案内して欲しいという依頼を受けました。吉開さんの撮影と案内の傍ら、僕はいつもの日記のように、iPhoneで記録の映像を撮影していました。撮影をしながら、せっかくだからと互いに映像を渡し合うことに決め、それぞれに編集をすることにしました。そうして吉開さんは公演のための映像を完成させ、僕はこの映画を作りました。編集には2日もかからず、一息に出来あがったことを覚えています。ひとつの小さな旅をきっかけに、思いがけず生まれた、双子のような映画のひとつです。

制作のきっかけになった大橋可也さんの公演は、市川春子のマンガ「25時のバカンス」に着想を得たものでした。撮影の時点で、僕はまだこの作品を読んでいませんでしたが、吉開さんの持っていた作品のイメージと、美しい撮影によって、この世界に近付いていった気がします。ダンス公演も、後日読んだマンガも、素晴らしいものでした。

Kakuya Ohashi and Dancers 大橋可也&ダンサーズ:https://dancehardcore.com/topics_lustrous_plus_25.html

ワールドプレミアがヴィジョン・デュ・レールであることにも、感慨があります。2014年に、この映画祭のレトロスペクティブで観た、ロス・マケルウィーの「Sherman's March」のことを覚えています。内容は、監督自身の失恋をきっかけにして、南北戦争の英雄、シャーマン将軍の足跡を辿りながら、彼が個人的に関わりのあった異性の友人たちに会いに行くという、ちぐはぐで、風変わりなドキュメンタリーです。

彼は、ジャン・ルーシュなどと共に、シネマ・ヴェリテの作家として紹介されています。シネマ・ヴェリテとは、手持ちカメラや同時録音によって被写体に「真実(ヴェリテ)」を語らせるものとされています。カメラと録音機の小型化に伴って、映画制作がより自由に、少人数で制作できるようになったことで生まれてきたスタイルです。「ナイト・シュノーケリング」は、今最も手軽な手持ちカメラである、iPhoneのみで実験的な撮影を行なったという意味で、シネマ・ヴェリテのあり方を引き継いでいるといえるかもしれません。この映画では、2人の監督が互いにカメラを持って撮影をしています。必ずしもイメージ通りの撮影をしていたわけではなく、様々な偶然に助けられながら、たくさんの海の生き物と出会っていきました。

マケルウィーは、彼自身が経験したトラウマによって、個人的な考えと、専門的な考えを区別することが困難になったことが「Sherman's March」の制作に影響したと述べています。僕には、トラウマというほど大袈裟なものはありませんが、個人的なことと専門的なことをこれまで、むしろ積極的に混同しながら制作を行なってきました。僕は、僕の頭で考えていることを、映画の中で説明しようとは一切していません。ただ、かけがえのない時間に、カメラが寄り添ってくれたように感じています。そういった意味で「ナイト・シュノーケリング」は、極めて個人的な映画です。もしかしたらこの道は、マケルウィーが導いてくれたのかもしれません。

逗子に引っ越して3年。僕にとっては「Lager Than Life」に続く、三浦半島シリーズの2つ目のピースとなる映画です。人の行動によって引き起こされた危機の最中にも関わらず、自然環境にまつわる映画を作れた幸運に感謝したいと思います。

映画祭名:第52回Visions du Réel International Film Festival

開催期間:2021/4/15-25

開催場所:Nyon(Switzerland)

部門:International Medium Length & Short Film Competition

URL:https://www.visionsdureel.ch/en/film/2021/night-snorkeling/

2021年3月23日火曜日

【かながわトラストみどり財団】神保賢一路先生による果樹剪定の動画講座


神奈川の緑の保全活動をしている、かながわトラストみどり財団の壹崎さんにお声がけいただいて、自然に関わる動画講座を制作しました。第一回は「かのこ環境大学」の神保賢一路先生による、果樹剪定の講座です。

https://ktm.or.jp/greenlecture1/


神保先生は、里山での文化・生活を実践しながら、様々な動物や植物が共存している自然環境を、受講者が身をもって体験できる授業を開催しています。

神保賢一路の「かのこ環境大学」

https://ameblo.jp/kanoko-kankyou-daigaku/


かながわトラストみどり財団は、アカテガニで有名な小網代の森の保全も行なっています。逗子に引っ越してからは、小網代の森や、三浦半島の自然に興味を持って撮影を続けていたので、さらに深く、神奈川の自然について学ぶ機会をいただけて、とても幸運でした。講座の撮影を始めてからは、神保先生をはじめ、自然に関する深い知識を持った方々と度々お話する機会をいただき、とても嬉しく思っています。


逗子アートフェスティバルで出会った、風間一樹さん、織田稜也さんにもお声がけして、また新たな講座を撮影していますので、そちらもぜひお楽しみに!